奇跡を生む場所
2010-12-09


7日に行われた北海道新聞スポーツ賞の贈呈式。印象に残るシーン、言葉があった。それは受賞者の挨拶で見せた田畑真紀選手のお父さん、隆幸さんの表情と柔道でオリンピックや世界選手権の金メダリストへと成長する教え子を送り出している中野政美旭川南高校柔道部総監督の言葉。■田畑真紀選手は1994年のリレハンメルオリンピックに初出場。ケガで出場を逃した長野を除きソルトレーク、トリノ、バンクーバーと4度オリンピックを経験した。中距離のエースとして日本スケート界を牽引し続ける存在でありながら、競技を続ける環境を失い、受け入れてくれるチームがない時期を過ごしたこともあった。■隆幸さんはバンクーバーの団体追い抜き(チームパシュート)の銀メダルはがんばり続けた最高のご褒美だと感じた。そして、長く頑張り続けた娘もこれで競技生活に区切りかな・・・肩の荷がおりたような、ホッとした気持ちにもなったという。■今、田畑選手は自転車で夏のオリンピックを目指している。隆幸さんは、予想外で少し驚いてしまったという心境を述べながら言葉を詰まらせた。それでも厳しい世界に身を置き新たな目標に向かい頑張り続ける娘にとっても賞は励みになり、親としても声援を送り続けるという決意を披露した。■旭川南高校柔道部の中野政美総監督はアトランタ五輪金メダリストの恵本裕子さん、アテネ、北京とオリンピック2連覇を果たした上野雅恵さん、世界選手権2連覇の上野順恵選手らを育てた。■道場は人数が少なく静か。生徒は寡黙にただただ稽古に取り組み、努力を続けているだけ。様子を見に訪れた人が「奇跡を生む場所」と感想を残したという。■奇跡を生む場所、そうした素敵な場所があったことを改めで知ることになった。

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